石材店選びで大後悔〜葬儀社の紹介だけで決めてしまった失敗談〜

はじめまして、フリーライターで体験談コレクターの高橋真由美です。普段は、お墓選びで悩んでいる方々のために、私の経験や集めた体験談をもとに情報発信をしています。

突然ですが、皆さんは「石材店」をどのように選んでいますか?

実は私、2015年に義父を亡くした際、葬儀社に紹介されるがままに石材店を決めてしまい、本当に、本当に後悔した経験があるんです。当初150万円だった予算は、最終的に280万円にまで膨れ上がりました。あの時のことを思うと、今でも胸が苦しくなります。

この記事を読んでくださっているあなたには、絶対に同じ失敗をしてほしくない。そんな強い思いで、私の恥ずかしい失敗談と、そこから学んだ教訓のすべてをお話しします。

なぜ葬儀社の紹介で石材店を選ぶと失敗するのか

葬儀社紹介の石材店選びが失敗につながる理由

「葬儀でお世話になったし、紹介してくれるなら安心だろう」

そう考えてしまいがちですが、実はそこに大きな落とし穴があります。近年、多くの葬儀社が「葬儀+納骨」をセットにしたプランを提案していますが、その納骨作業、実は葬儀社が直接行っているわけではないケースがほとんどなのです。

多くの場合、提携している石材店や、場合によっては専門知識の乏しい下請け業者に作業を丸投げしています。そうなると、誰がどのように施工したのかが分からず、何かトラブルが起きても責任の所在が曖昧になってしまうのです。

実際に、国民生活センターにはお墓に関する相談が後を絶ちません。2024年度には、1,013件もの相談が寄せられています。その中には、葬儀社紹介の石材店とのトラブルも少なくないのです。

葬儀社紹介で起こりやすいトラブル事例

では、具体的にどのようなトラブルが起こりやすいのでしょうか。私が集めた体験談の中から、特に多かった3つの事例をご紹介します。

事例①:目地が施工されていなかった

「納骨が終わって数年後、お墓の石と石の間に隙間ができていて…。中を覗いたら、水が溜まってカビだらけになっていました」

これは、施工経験の浅い業者が、石と石の隙間を埋める「目地」をきちんと施工しなかったために起こる典型的なトラブルです。見た目だけを整えても、数年後には目地が割れたり、石が浮いたりして、大切なお墓が傷んでしまうのです。

事例②:専用の道具や材料を使っていなかった

「安かったのでお願いしたのですが、数年で石がズレてきてしまって。調べてもらったら、ホームセンターで売っているような普通の接着剤が使われていたそうです」

墓石は、雨風や気温の変化に常に晒されています。そのため、石材店は専用の接着剤や目地材を使用します。しかし、非専門業者はコストを抑えるために、一般建築用の材料で代用することがあります。その結果、数年で接着が弱まり、石がズレたり、目地が剥がれたりといった問題が発生するのです。

事例③:次回の納骨ができない施工をされていた

「父の納骨は無事に終わったのですが、数年後、母の納骨をしようとしたら、お墓の蓋が開かなくて…。結局、石を壊して開けることになり、高額な修繕費がかかりました」

お墓の構造を理解していない業者が施工すると、目地を過剰に固めたり、石を密着させすぎたりして、二度と開けられない状態にしてしまうことがあります。次の納骨のことまで考えていない、ずさんな施工の典型例です。

私の失敗談から学ぶ教訓

義父のお墓選びでの失敗の詳細

今から約10年前の2015年、義父が心筋梗塞で突然亡くなりました。享年68歳。あまりにも突然のことで、家族全員が悲しみに暮れる暇もなく、葬儀の準備に追われました。

お墓のことなど、それまで一度も考えたことがありませんでした。葬儀を終え、少し落ち着いた頃、葬儀社の担当者から「石材店さん、ご紹介しますよ」と声をかけられました。私たちは、その言葉に何の疑いも持たず、紹介された石材店にお願いすることにしたのです。

予算は150万円と伝えていたはずなのに、打ち合わせを重ねるうちに、あれよあれよと金額が膨れ上がり、最終的な請求額は280万円。130万円もの予算オーバーでした。

失敗の内容

失敗項目具体的な内容
石材店選びの失敗葬儀社の紹介だけで決めてしまい、他の石材店と比較する「相見積もり」を取らなかった。
石材の知識不足営業マンの「この石は高級感があって人気ですよ」という言葉を鵜呑みにし、高額な輸入石材を選んでしまった。
霊園選びの失敗「家から近いから」という理由だけで霊園を決定。後から管理費が相場よりかなり高いことを知った。
予算オーバーと家族対立見積もりに含まれていない追加工事が次々と発生。デザインを巡っては、事前に話し合っていなかったため夫と意見が対立し、険悪な雰囲気に。

その後の成功体験(3年後の義母のお墓選び)

義父の失敗から3年後、今度は義母が癌で亡くなりました。闘病期間があったため、私たちは生前からお墓の準備を始めることができました。

前回の失敗を繰り返さないために、私たちは徹底的に情報収集をしました。複数の石材店から相見積もりを取り、石材についても自分たちで勉強しました。霊園も、管理費や将来性まで含めて総合的に比較検討しました。

その結果、予算120万円で、家族全員が心から納得できるお墓を建てることができたのです。

葬儀社紹介の石材店に依頼する際の問題点

指定石材店制度の落とし穴

なぜ、葬儀社に紹介された石材店を断り、自分たちで探すことが重要なのでしょうか。その背景には、「指定石材店制度」という業界の仕組みがあります。

多くの民営霊園や寺院墓地では、お墓を建てられる石材店が予め決められています。これを「指定石材店制度」といいます。

問題なのは、霊園に見学に行くと、こちらの意思とは関係なく、その場で担当の石材店が自動的に割り振られてしまうことがある点です。そして一度担当が決まると、他の石材店に変更することは、ほとんどの場合できません。つまり、比較検討する機会を失ってしまうのです。

「安さ」で選んではいけない理由

一方で、「とにかく安く済ませたい」と考えるのも自然なことです。しかし、その「安さ」には必ず理由があります。

  • 人件費の削減:専門知識のない作業員が施工している
  • 手抜き工事:施工時間を短縮するために、必要な工程を省いている
  • 安価な材料の使用:耐久性の低い、安価な接着剤や材料を使っている

目先の安さに飛びついた結果、数年後に高額な修繕費がかかり、「最初からきちんとした石材店に頼めばよかった」と後悔するケースは、本当に多いのです。

失敗しない石材店選びの正しい方法

相見積もりの重要性

では、どうすれば信頼できる石材店を見つけられるのでしょうか。その答えは、「相見積もり」 にあります。

相見積もりとは、複数の石材店から同じ条件で見積もりを取ることです。これにより、

  • 適正な価格相場がわかる
  • 法外な値段を請求する業者(ボッタクリ)を避けられる
  • 各社の提案内容や担当者の対応を比較できる

といったメリットがあります。面倒でも、最低3社からは見積もりを取ることを強くお勧めします。

実際に霊園や墓地を探す際には、goennのようなプラットフォームを活用することで、地域別に一般墓・樹木葬・納骨堂・永代供養墓などを効率的に比較検討できます。

複数の選択肢から自分たちに最適な霊園を見つけることが、後悔のない石材店選びへの第一歩となるのです。

信頼できる石材店の選び方

見積もりを取る中で、以下の点をチェックしてみてください。

チェック項目具体的なポイント
話をきちんと聞いてくれるかこちらの要望や不安に親身に耳を傾け、専門家の視点からアドバイスをくれるか。
石材や墓石について詳しいか石の種類ごとのメリット・デメリット、耐久性などを分かりやすく説明してくれるか。
見積書や契約書が明確か「一式」ではなく、何にいくらかかるのかが詳細に記載されているか。追加料金の可能性についても説明があるか。
アフターサービスが充実しているか建立後の保証期間や、定期的な点検など、長期的なサポート体制が整っているか。
大幅な値引きをしないか「今日決めてくれたら〇〇万円引きます」など、契約を急がせる業者は要注意。適正価格で勝負している証拠です。

まとめ

葬儀という非日常的な出来事の中で、冷静な判断をするのは本当に難しいことです。だからこそ、葬儀社の「ご紹介しますよ」という言葉に、つい頼ってしまいたくなる気持ちは、痛いほど分かります。

しかし、その一つの選択が、後々の大きな後悔につながってしまう可能性があることを、どうか忘れないでください。

私の失敗が、これからお墓選びをされる方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。完璧なお墓選びは存在しないかもしれません。でも、家族みんなが納得できる、後悔のない選択をすることは、必ずできます。

この記事を読んで、少しでも不安に感じた方は、ぜひ一度立ち止まって、ご家族と、そして信頼できる石材店と、じっくり話し合ってみてください。あなたのお墓選びが、素晴らしいものになることを心から願っています。